あふぇりえいと

2008年12月13日土曜日

アートの窓:「良寛と貞心尼」 安田靫彦

 ◇70歳と30歳、出会いの場

 手まりをついて子供たちと遊んだと伝わる江戸時代の僧、良寛さん。その晩年に訪れた、尼僧、貞心尼との出会いの場面だ。2人が、70歳と30歳のころらしい。

 いろりをはさんで、対面する2人。年月を重ねた厳しい顔つきの良寛。丸みを帯びながら、すっきりとした後ろ姿の貞心尼。良寛のまなざしは、貞心尼の目の上の辺りを食い入るように見つめ、今にも動き出しそうだ。周囲の空気は張りつめ、こちらも思わず、背筋が伸びる。と同時に、あんどんの灯がほんのりと温かい。

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