あふぇりえいと

2009年10月22日木曜日

琵琶湖のヨシ緑化パネルに 多賀のNPOと県立大

琵琶湖のヨシ緑化パネルに
多賀のNPOと県立大


写真
ヨシを活用して開発した緑化パネルの試作品を持つ大辻理事長(木津川市)

 水質浄化に役立つ琵琶湖のヨシを活用した緑化パネルを、滋賀県多賀町のNPO法人(特定非営利活動法人)が考案した。従来品より低コストで高い断熱効果があるほか「地域活性化にもつながる」といい、現在、特許を申請している。

 開発したのは、大阪や京都、滋賀に住む公務員や学生らがメンバーのNPO法人「モスグリーンEco」。2005年から多賀町の休耕田で栽培したス ナゴケを使い、緑化パネルを製作してきた。最初はパネルの台に輸入品のコルクを使っていたが、琵琶湖のヨシの需要が、輸入品に押されて低迷していると聞き 「地元の伝統産業振興につながれば」と活用を思いついた。

 取り組みに賛同した滋賀県立大の仁連孝昭環境科学部教授(当時)の研究室から協力を得て特殊な接着剤で4層に重ねたヨシに不織布を張り、そこにコケを取り付ける方法に行き着いた。

 中間の2層のヨシに本来の空洞部分を残すことで、断熱効果がアップ。コンクリート製の屋根にパネルを取り付けた実験では、従来品に比べて室内の温 度上昇を約3度抑える効果があった。また、国内産のヨシを使うことでコストは3分の1になり、軽量化されて建物への負担も減ったという。パネルは1枚33 センチ四方。価格はコケの生育度合いに応じ、1平方メートルあたり1万3千~1万5千円程度を想定している。

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