「ガリ、ガリ」と音をたてながら、鉄筆でガリ版に文字を刻み込んでいく安藤信義さん=明石市大蔵町 |
あなたの青春、刻み込みます――。明石市大蔵町で約50年間、「ガリ版」の印刷所を営む安藤信義さん(74)が過ぎし日の思い出をつづる文集「私 のALWAYS(オールウェイズ)」への投稿を募っている。「ガリ版と同じ時代を生きた人たちの懐かしい思い出をたくさんおさめたい」。安藤さんは目を輝 かせている。(小野大輔)
安藤さんがガリ版印刷所「アンドー・トーシャ」を立ち上げたのは、ガリ版印刷黄金期の1960年。学校や企業から注文を受け、1日に約1 万字を鉄筆で紙に刻み込んでいた。だが、80年代以降、ワープロやコピー機、パソコンが普及し、市内に5、6軒あったガリ版印刷所は次々と廃業。長年、安 藤さんに学年通信の印刷を依頼していた中学校からの注文も昨年を最後に途絶えた。
ガリ版の灯は消えるのか――。肩を落としていた昨年暮れ、自宅で映画「ALWAYS 三丁目の夕日」のビデオを見た。昭和の街並み、駄菓 子屋、ガリ版で刷ったポスター……。懐かしい情景に涙があふれた。このころに交際していた妻の美佐緒さん(07年死去)と、ラブレターを送りあった甘酸っ ぱい日々がよみがえった。
「誰にでも、心にしまっている思い出がある。それをガリ版に刻んで残したい」。開業50年の来年、その集大成として、たくさんの人からの投稿をおさめた文集「私のALWAYS」を制作することを決めた。
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