模索する信楽 厳しい現状に若手窯元立ち上がる
◇座するよりも客呼び込み
◇地元生かす新しい観光、受け入れ態勢が大事
伝統的な陶器産地の信楽で、若手窯元の動きが活発化している。業界を取り巻く厳しい現状を背景に、産地ならではの歴史を生かしたギャラリー開設が相次ぐなど、顧客や観光客を直接現地に呼び込もうとする取り組みが目立つ。伝統産地で、陶器づくりとまちづくりとの関係が徐々に深まろうとしているようだ。【
◆相次ぐギャラリー開設
信楽高原鉄道信楽駅(甲賀市信楽町)からほど近い、信楽の町の中心部にある新宮神社の裏の坂道を200~300メートル上った場所。ここで植木鉢などを作ってきた陶器製造の窯元(かまもと)「壺文(つぼぶん)製陶」=信楽町長野=の五代目、奥田文悟さん(41)、章さん(36)兄弟は昨年12月、敷地内の倉庫をギャラリーにした「文五郎倉庫」を開いた。
かつては作業場に使われた築約50年の鉄筋コンクリート造りの建物。壁に飛び散った土の跡など“味”を残しながら、全体を三つの部屋に分け、章さんが作った食器の販売のほか、代々の商品である火鉢や植木鉢などを展示している。
建物の補修や運営には、交流がある松井利夫・京都造形芸大教授(立体造形)らが協力。2人は「この場所に来たら何かあると思ってもらえるように」と、かつて信楽から県外に出荷された盆栽の里帰り展示などの企画を温めている。
また、同じ敷地内にある現在の作業場では、2人が連日、手作業で作品を作っており、訪れた人に窯元の歴史や作業にかけている手間を感じながら商品を手にしてもらえるようになっている。
「文五郎倉庫」から約1キロの場所には昨年11月、別の窯元「松庄」=同=の三代目、奥田泰央さん(35)が県立大生らの協力を得て築約40年の自宅別棟を改装したギャラリー「shiroiro‐ie(しろいろいえ)」を開設した。
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