幻の酒米「渡船」復活へ 明治・大正の高級品種、半世紀ぶり農家栽培
【滋賀】東近江市のJAグリーン近江の農家約15軒が、県内在来種で栽培が途絶えていた日本酒用の米「渡船(わたりぶね)」を復活させる取り組みを進めている。昨年度は、12ヘクタールから約35トンを収穫し、県内の酒造会社11社が酒を造り、「幻の酒米」とPRしている。今春も12ヘクタールの田植えをほぼ終えており、関係者は「まろやかな味を多くの人に知ってほしい」と話している。【後藤直義】
同JAなどによると、「渡船」は1895(明治28)年、日本酒用の米として当時の県農事試験場に持ち込まれた。粒が大きく、明治・大正期には、日本酒造りに重宝された高級品種だったという。しかし、稲穂が約160センチと高いために台風などの影響を受けやすく、病害虫にも弱いため、1955年ごろには他品種にとって替わられたという。
酒造メーカーから相談を受けた同JA酒米部会長の沢晶弘さん(60)らが、「渡船」は現在国内で最高級の酒米とされる「山田錦」の父方の品種だと知った。04年に県の農業技術振興センターに保管されていたわずか50グラムの米をまき、東近江市、安土町、近江八幡市内の水田で毎年収穫量を増やしてきた。稲穂の背が高いため、コンバインでの収穫も時間がかかるという。
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