あふぇりえいと

2009年6月2日火曜日

当地の逸品:大津絵人形 (高田工芸)

当地の逸品:大津絵人形 (高田工芸)

 ◇細かな造形に極彩色 絵から飛び出たような作品200種

 素焼きした白い石こうに、極彩色で色付けした人形たち。「藤娘」や「鬼の念佛(ねんぶつ)」など、江戸時代から伝わる「大津絵」が紙から飛び出してきたような作品は、約200種類に及ぶ。

 「高田工芸」の経営者で、30年以上にわたって人形作りを手がけてきた高田進さん(72)は、戦時中に栗東市に疎開して以来、滋賀県在住。高校卒業後、京都の人形店に勤務し、71年に独立した。「オリジナリティーを追求するためには何を題材にすべきか」。そう考えた時に浮かんだのが、地元の大津絵だった。大津絵師4代目高橋松山師を何度も訪問し、絵付けの手本をもらった。

 「もう少し手の位置を上げて」。型作りでは、原形師と造形について細かく打ち合わせる。限られた予算の中でも妥協は許さない。水に溶かした粘土を型に入れて原形を作り上げ、松山師の作品に忠実に水性絵の具で絵付けを施していく。造形の細やかさが人気を呼び、県知事賞や日本観光協会長賞、98年には全国推奨観光土産品審査会で運輸大臣賞を受賞。高田さんは「長年やってきた分、報われたとの思いがあった」と振り返る。

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