当地の逸品:近江赤ちゃん番茶(中川誠盛堂茶舗) /滋賀
◇子どもから大人まで安心して飲める、香ばしく自然の味わい
ゴトゴトゴト……年季の入った釜からお茶の香りがただよう。1858(安政5)年創業の老舗「中川誠盛(せいせい)堂茶舗」の店頭では毎日、「近江赤ちゃん番茶」の茶葉が手作業で炒(い)られている。
カフェインがほとんど含まれず、もちろん添加物は一切不使用。名前は、赤ちゃんも妊婦も安心して飲めることから。茶は通常、茶葉を蒸した後に、もむことでうまみと渋みを引き出すが、赤ちゃん番茶はもむ作業をしない。刈り取った茶葉を蒸した後に太陽の光で干し、丁寧に炒るため、葉の形がそのまま残る。滋賀に古くから伝わる独特の製法だ。
水か沸騰した湯に茶葉を入れるだけ。自然そのもので、香ばしく渋みやクセのない味わいのため、子どもから大人まで、さらには外国人にも大好評。安心して飲めることから、プロゴルファーの宮里藍選手やアニカ・ソレンスタム選手もお気に入りといい、沖縄や海外にも発送している。全国から年間2万件もの注文があり、製造が追いつかないとか。
平安時代、最澄が中国から持ち帰った茶の種を比叡山のふもとにまいたのが、日本の茶の始まりとされる。5代目店主の中川武さん(51)は「茶の発祥地として、こだわりをとことん持ち、正直をモットーにおいしい茶をみなさんに届けたい」と話す。ただ、そんなこだわりの茶葉を栽培している契約農家は、みんな70歳以上。今年も1軒、高齢を理由に栽培をやめた農家があり、自慢の商品が一つ減ってしまった。
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