◇菜の花に囲まれ、縁側で母と機織り
2歳の時に、叔父の養女になりました。子どもの頃は何の事情も知りませんから、近江八幡の生家を、親戚の家として訪ねました。でも、他の親戚とは 違って、どこか心ひかれるんです。訪ねると一家を挙げて歓迎してくれました。琵琶湖で船遊びしたり、京都へ文楽を見に連れて行ってくれました。でも、母はあまり台所から出てこなかったですね。実の娘に真実を打ち明けられないからだったと思います。
あるとき母が、ゴッホとセザンヌの画集を見せてくれました。「こんなに美しいものがあるよ」と伝えたかったのでしょう。私は幼くて、深くは分からないけれど、この世に芸術というすばらしいものがあると知りました。
真実を知ったのは17歳の時。母に打ち明けられた。「死んでも言うまいとおなかのひもをくくっていたのに」と言っていました。言ってはいけないことを言ったのですから。
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