大正時代の自動ハエ捕り機が滋賀県日野町で見つかり、同町大窪の町立近江日野商人館で展示されている。ゼンマイで動く仕掛けで、その名も「ハエ捕 り」と「高度な(ハイ)奇術(トリック)」をかけて「ハイトリック」。同館によると、実際に作動するものは全国でもほとんどないという。
ハイトリックは20センチ四方の木箱。上部に直径7センチほどのローラーが付いており、ハエが好むジャムなどを塗ってゼンマイを巻いておく。すると、ローラーがゆっくり回転し続け、ローラー上部にとまったハエが箱の下部に追いやられ、網かごの中に閉じこめられる仕組み。
1919年に中部地方の時計店が発売し、国内だけでなく、海外でも好評を博したという。しかし、戦後は衛生状態が向上してハエの数が減少したことから、製造が中止された。
昨年10月、町内の近江商人屋敷で不用品として出されていたものが、同館に持ち込まれた。入手した近くの沢田武夫さん(64)は「最初は何か分か らなかったが、珍しいものではないかと思った」と言う。ゼンマイが壊れていたが、修理するとスムーズに動き出し、10回ゼンマイを巻くと約4時間動き続け るという。
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