長浜盆梅展 「新芽」の感動を伝えたい
◇暖冬で開花時期が早まり、関係者は四苦八苦
長浜市港町の市の迎賓館「慶雲館」で開催されている新春恒例行事、長浜盆梅展は10日、閉幕する。大きな梅の木を鉢植えした盆梅展には、今年も昨年並みの10万人近い入館者が訪れたが、ここ数年の暖冬で、梅の開花時期が早まり、関係者は対策に四苦八苦。半世紀を越える伝統行事を支える裏方さんの苦労を探った。【野々口義信】
長浜盆梅展は1952年に始まり、今年で58回目。同市浅井地区の故・高山七蔵さんが40年間近くにわたり山野を駆け巡って集めた梅の古木を市に寄贈して始まったという。純和風の慶雲館の座敷に展示されている梅は約90鉢。背丈ほどの高さのジャンボサイズだ。なかでも、樹齢約400年、高さ2・5メートル、幹回り1・8メートルの八重紅梅「不老」や、樹齢約350年、高さ2・7メートル、幹回り1・6メートルの八重淡紅色の「さざれ岩」が目玉だ。
70年代、3万~4万人だった入館者は、83年春の長浜城再興と京阪神からの新快速電車のJR長浜駅乗り入れがきっかけで、96年の15万9000人をピークにここ数年、9万~10万人を維持している。市の観光担当課も京阪神や中京、関東方面にまで長浜観光を広くPRしたことや、市中心街にできた「黒壁スクエア」という観光施設の効果もあり観光客が飛躍的に伸びた。
盆梅展が始まったころ、客も少なく、会場の大きな火鉢でゆったり暖をとる姿が古い新聞記事の写真に見られる。客でごった返す現在では考えられない光景だ。
盆梅展を支える裏方は、長浜観光協会職員の小川喜弘さん(44)と市商工振興課の盆梅管理人、田中敏治さん(75)。小川さんは滋賀県警警察官から93年に現職に移った変わり種。田中さんは給食会社勤めの調理師だったという。ともに梅には素人だった。
小川さんは庭木や植木の本場、愛知県稲沢市へ3年間、研修に通って栽培技術を習得した。一方、田中さんは水やりの難しいこつを長年かかってつかんだという。盆梅は、地に植えられた木を鉢に植え替えたもの。梅にとって環境は最悪で、管理は緊張の連続だ。現在、市の管理する盆梅は約300鉢。地面に植えられた盆梅予備軍は約1000本。1日2回の水やりで木の状態や、病気・害虫におかされていないかを調べるが、時期や散水量、タイミングなどすべてに経験と勘が求められるという。
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