昨年7月18日、県立彦根球場。伊吹と彦根東の対戦は、最後まで勝敗の行方が分からなかった。2―1と伊吹がリードして迎えた9回裏彦根東の攻撃。2死 ながら同点の走者が出た。
帽子のつばに言葉を書き込んだ伊吹の選手たち=米原市朝日 |
帽子に書いた「言葉作戦」は、昨夏の大会前に決まった。部員らが部室に集まり、雑談をしていた時のことだ。帽子の裏に何か書いたらどうだろう――。偶 然、誰ともなく提案があり、みんなが同意した。彦根東戦で三塁を守り、マウンドの輪に加わった漣(さざなみ)朋寛君(3年)はそう覚えている。
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新チームで臨んだ昨年秋の県大会、水口東戦。5―5の同点のまま9回裏にもつれ込み、サヨナラ負けのピンチを招いた。この時、帽子に言葉は書かれていな かった。雰囲気にのまれ、失策でサヨナラ負け。選手らは帽子の効果を改めて実感した。
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