あふぇりえいと

2010年6月29日火曜日

未盗掘石棺に完形頭骨…赤色で着色、小柄な男性

未盗掘石棺に完形頭骨…赤色で着色、小柄な男性

出土した石棺内の人骨を調べる片山・京大名誉教授(大津市神宮町で)
滋賀県文化財保護協会は28日、大津市神宮町の宇佐山古墳群から、古墳時代前期末(4世紀末)から中期前半(5世紀前半)にかけての未盗掘の石棺 が見つかったと発表した。内部には人間の頭骨がほぼ完全な形で残っており、魔よけなどの意味がある赤色で鮮やかに着色されていた。被葬者は20~40歳代 の小柄な男性とみられ、副葬品は少なかった。協会は「琵琶湖を一望できる立地などから、水運などで豪族に仕え、日本海側の文化に影響を受けた職能集団の墓 ではないか」とみている。
同古墳群は宇佐山(335メートル)中腹にあり、これまで古墳時代後期(6世紀)の円墳12基を確認。古墳群内で砂防工事が計画され、協会が4月 から1600平方メートルを調査していた。
箱式石棺(長さ158センチ、幅36~24センチ、高さ30センチ)は板状に加工した花こう岩を何枚も組み合わせた形で、表土から深さ約40セン チで確認。床石はなく、(ふた)石は粘土で接合 されていた。石棺の外には、鉄剣や鉄(ぞく)が 副葬されていた。頭骨は、下あごが見当たらず、石棺内に流入した土に埋もれて風化したと推定される。

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